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日本脳炎ウイルス

フラビウイルス科に属するウイルスであり、カによって媒介されヒトやウマに脳炎を、妊娠ブタに死・流産を発生する。1935年日本においてウイルスが分離され、原因ウイルスとして同定された。米作とブタの飼育が見られるアジアモンスーン地域にウイルスが分布している。エンベロープと、一本鎖プラスRNAをゲノムとしてもつ。
(医学書院 医学大辞典 一部省略)

 日本脳炎ウイルスは東および東南アジア、南アジアに分布し、東は日本、ロシア東部海岸、西は中国、インド、南はシンガポール、インドネシア、パプアニューギニア、オーストラリア北部に患者発生が見られます。流行は夏を中心とする3ヵ月程度の間で、本邦ではワクチン接種の普及もあり、近年は年間10人以下の発生件数にとどまっています。感染しても発病するのは100から1000人に1人程度で、大多数は無症状に終わるのですが、脳炎を発症した場合は神経の後遺症を残す人が半数、完全治癒は全患者の3人にひとりに過ぎず、死亡率は約15%だと言われています。潜伏期間は数日から2週間程度、脳炎を発症した場合は高熱、頭痛、吐き気、嘔吐などが出現し、意識障害とともに、痙攣、異常運動がしばしば見られます。日本脳炎は症状が現れた時点ですでにウイルスが脳に到達しています。脳細胞はいったん破壊されると修復はほとんどされませんので、ワクチンによる予防が大切です。

 日本脳炎ウイルスは感染したブタの体内で増殖し、それを吸血した蚊がヒトを刺すことによってヒトに感染します。コガタアカイエカが媒介します。蚊からかかる感染症は日本脳炎だけではありません。蚊対策を行うことにそういった感染症のリスクを下げることができます。

 まとめ:日本脳炎ウイルスは重篤な脳炎を合併することがある。ワクチンによって予防できる。

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