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感染症 - メニューへ戻る

無鉤条虫

 扁形動物門条虫網円葉目に属する生物であり、一般にサナダムシと呼ばれる一種である。カギナシサナダムシとも呼ばれる。成虫の体長は4~10mにおよび、頭部に4個の吸盤をもつが鉤をもたないことからこの名がある。ヒトが唯一の終宿主である。成虫はヒトの小腸に寄生し、無鉤条虫症の原因となる。本虫は発育する上で中間宿主を必要とし、中間宿主体内では無鉤嚢虫と呼ばれる形態を取る。中間宿主はウシのみと考えられていたが、スイギュウやトナカイなども中間宿主になりうるという。有鉤条虫と異なり、ヒトが中間宿主になることはない。
(医学書院 医学大辞典)

 無鉤条虫の感染は世界中で広く見られますが、ウシを食用としないヒンズー教地域ではほとんど見られません。無鉤条虫は有鉤条虫とことなり、嚢虫症をおこすことはありませんので、臨床上あまり問題となることはありません。自家感染もありません。ふつう症状は何もないか、軽度の消化器症状のみです。感染が確認された場合は、必ず有鉤条虫症でないことを確認した上で、抗寄生虫薬、あるいは下剤による治療が行われます。

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