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アスペルギルス

 不完全菌類の一属。自然界にありふれた、空中浮遊している代表的糸状真菌。約300種あるが、ヒトに病原性をもつのは2、3種である。空中を浮遊しているのはアスベルギルスの胞子(分生子)で、空調器のエアフィルターや加湿器などの湿った温かい場所で豊富に増殖し、肺に病変をつくる。ヒトや動物のアスペルギルス症の原因菌として一般的なものは、抗生物質フミガシンを産生するA. fumigatusであるが、A. flavusや、A. nidulans、A. terreusも原因となる。その他、土壌や糞便から分離され、発癌性毒素を産生するA. clavatusなどがある。
(医学書院 医学大辞典 一部省略)

 アスペルギルスは環境中のいたるところに存在しており、免疫力が正常な人がたとえ胞子を大量に吸入したところで感染することはありません。免疫力が低下している人など真菌に対する防御力が充分でない場合には、肺アスペルギルス症など重篤な感染症を生じることがあります。アスペルギルスには約200種類がありますが、ヒトに感染するものの大半はアスペルギルス・フミガーツスです。小児でも問題となる可能性があるものは、気管支喘息を基礎に発症するアレルギー性気管支肺アスペルギルス症です。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は他項に書きます。

 アスペルギルス・オリゼーは別名ニホンコウジカビと呼ばれ、醤油や味噌、醸造酒などを作るために利用されています。

 まとめ:アスペルギルスはいたるところに存在するカビの一種である。気管支喘息のある人にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を引きおこすことがある。

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