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モラクセラ・カタラーリス

 本菌は健康成人の上気道に常在し、成人では慢性気道感染症や急性肺炎の原因菌になり、小児では中耳炎や副鼻腔炎の原因菌となる。本菌感染症は単一菌感染のみならず、インフルエンザ菌などとの複数菌感染も起こす。患者分離株の約80%はβラクタマーゼ産生性である。
(医学書院 医学大辞典 一部省略)

 モラクセラ・カタラーリスは肺炎球菌、インフルエンザ菌とともに子どもの呼吸器感染症の3大原因のひとつに数えられていますが、健常児にはふつう、肺炎球菌やインフルエンザ菌のような重症感染症をおこすことはありません。モラクセラ・カタラーリスはグラム陰性球菌で、顕微鏡で見ると菌体がふたつずつ並んで観察されます。
 モラクセラ・カタラーリスは下記のような感染症を引きおこします。
・急性中耳炎
 子どもの急性中耳炎の原因の中で、肺炎球菌、インフルエンザ菌に次ぐ3位です。急性中耳炎については他項に書きます。
・肺炎
 モラクセラ・カタラーリスは肺炎の原因になります。抗菌薬での治療が必要です。肺炎については他項に書きます。

 同じ属のモラクセラ・オスロエンシスは生乾きの洗濯物の臭いを生み出す原因のひとつだと言われています。

 まとめ:モラクセラ・カタラーリスは子どもの中耳炎や肺炎といった呼吸器感染症の原因となる。

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