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セレウス菌

 土中、水中、大気中、植物表面など自然界に広く分布する。ふつう非病原性であるが、食中毒の原因となることがある。易熱性のエンテロトキシンが原因の下痢と腹痛を主訴とする下痢型食中毒(潜伏時間約12時間)と、耐熱性の嘔吐毒による吐き気、嘔吐を主とする嘔吐型食中毒(潜伏時間1~5時間)とがある。大型の通性嫌気性グラム陽性桿菌で、周毛性鞭毛を持ち、芽胞は楕円形で菌体のほぼ中央に形成される。10~48℃で発育可能。血液寒天培地ではβ溶血を示す。
(医学書院 医学大辞典 一部省略)

 セレウス菌はバシラス属に属する細菌で、常在菌として健康なヒトの消化管にも存在しています。環境中には芽胞の形で存在し、100℃、、30分の加熱にも耐えることができます。
 セレウス菌は下記のような症状を引きおこします。
・食中毒
 セレウス菌の食中毒には下痢型、嘔吐型の二種類があり、前者は感染型(菌が消化管内で増殖して発症する)、後者は毒素型(食品中で産生された毒素により発症する)です。セレウス菌が産生するエンテロトキシンは加熱や胃酸で容易に失活するため、下痢型食中毒は少なく、本邦で報告のあるのは耐熱性毒素(120℃、15分でも失活しない)である嘔吐毒による嘔吐型食中毒がほとんどです。下痢型は1から2日、嘔吐型は半日程度で改善しますが。原因食品は焼き飯、カレーライス、パスタといった米飯や麺類が多く、それらを常温で作り置きしないことが大事です。免疫力の低下した者では、まれに敗血症の原因になります。
 バシラス属に属する細菌には、他に枯草菌やその仲間である納豆菌が含まれています。

 まとめ:セレウス菌は食中毒の原因となる。調理した食品をすみやかに冷蔵保存することで予防できる。

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